STAGE準決勝
主審José Luis Munuera Montero
スタジアムKing Fahd Stadium
来場者数35,000
バルセロナ 2-3 Rマドリッド
スタメン
1 マルク=アンドレ テア シュテーゲン
18 ジョルディ アルバ
3 ジェラール ピケ
4 ロナルド アラウーホ
8 ダニ アウヴェス
21 フレンキー デ ヨング
5 セルヒオ ブスケツ
30 ガビ
7 ウスマン デンベレ
17 ルーク デ ヨング
19 フェラン トーレス
2022最初のクラシコ、2021年から3年契約でサウジアラビア開催(初年はパンデミックで国内アンダルシア開催)される。
2020年から、国王杯ファイナリスト2チームと、リーガ上位2チームのトーナメント方式に。
昨季国王杯優勝のバルセロナと、リーガ2位のレアルの対戦、
公式戦通算247試合、
バルサ96勝 52分 99勝レアル
リーガは72勝 35分 76勝
ここ4試合はレアルに負けているバルセロナは、ここ1〜2年で退園成績が追いつかれ負け越している。
2014の3冠以降、監督は、
ルイス・エンリケ(2014〜2017)、エルネスト・バルベルデ(2017〜2020)、キケ・セティエン(2020)、ロナルド・クーマン(2020〜2021)と変わってきて、今シーズン途中でチャビ・エルナンデスを招聘。セティエンとクーマンの2年で追いつかれ抜かれた、という印象だ。
ゲーム総評は、バルサが押し気味に進めたがレアルの組織的カウンターにやられたという印象だ。
ヴィニシウスのゴール(’25)は、アラウホからパスでブスケツにつなぐ定番の攻め上がりでベンザマの寄席からボールを奪い、ヴィニシウスへだしゴールという、ここ数年のブスケツによく見られるボールロストから奪われた形だ。
バルベルデ時代から見られるボールロスト、フィジカルの衰えなのか奪われたブスケツは再ダッシュも遅く追いつけないままという危機を何度も見てきた、ここにブスケツ絶対的先発に?を思うところだ。もちろんCBからの声かけもできていたのか?というくらい見事に綺麗に奪われた、ここはチームルールの徹底再確認が必要であるが、ブスケツのポジションは特にカウンターに強いチームでは数年前からその地位は流動的だと思う。ニコなり新戦力なり育てていかなければならないポジションである。
L・デ・ヨングのゴール(’41)はポゼッションでパスからゴールへ攻め上がり左のデンベレからクロスをクリア、それをボールの先に入ったデ・ヨングに当たりゴールに吸い込まれた。ラッキな部分ではあるが、バルサの攻め方の一つではあるクロスから決定機から生まれた言ってもいいゴール。
ただ、デンベレサイドではパス交換で崩すというケースが少ない。
どうしてもデンベレ=スペースで生きる選手、カウンター戦術で生きる選手を覆せないままだ。ガチンコでくるチームでは生まれるスペースが、レアルではどうしてもゴール前では生きない。
そして後半、
ベンゼマのゴール(’73)、そのシーンではバルサが綺麗に4バックで並び、中盤3枚も横並び、ベンゼマのシュートを片手横っ飛びで弾き出したテア=シュテーゲン、拾ったカルバハルがゴール前鋭いクロス、それを右足に当て、それがディフレクションしてベンゼマの前に転がりシュート。
ちなみにレアルは4人、7vs4で決められてしまった。
ビリヤードのようにうまく壁に当てた手球、いうくらい綺麗に転がった、運とはいえバルサのそれよりレアルのものが引き寄せたようなゴール。
うまくいっている首位のチームと、監督が変わり戦術も変わりもがいて上昇途上のバルサの違い、スポーツではよく見る光景だ。
アンス・ファティのゴール(’83)、
そこまでバルサはボールを保持しながら惜しいシーンは作っていて、交代で入ったアンスが16分後、CKからショートでつなぎショルディへ、そしてゴール前へ上質のボールをクロス、いいポジションへ上がってきたアンスがほぼフリーで頭で叩き込んだ。この辺りのセンス、やはりメッシの抜けた極太の穴を埋めるのはこの男しかいない、そういったゴールだ。メッシも少ないが頭で綺麗に決めるシーンがあった、やはりサッカー脳が素晴らしいものなのかと思わせるゴールだ。
そして延長へ
F・バルベルでのゴール(’98)、延長開始後8分、カウンターで持ち上げられ2vs4の状態を作られ、ロドリゴからの低いクロスをスルー、そしてバルベルデに決められた。このシーンはバルサの攻め上がりでPA付近右サイド、デンベレがフェイントから不用にボールをロスし奪われ、中盤バルサのゆるい寄せを悠々かいくぐり、スルーさせる余裕から悠々ゴールを奪われたシーン、デンベレにはこれがある、という何度も見た光景。もちろん、このシーンがゴールを奪う、ゴールにつながるシーンも見てきたがそれは少数だ。延長において、奪われたら即座に奪い返す鉄則は酷なのか?いやそうしなければ勝てない、レアルならなおのこと。交代で入った比較的フレッシュな選手がイエロー覚悟で倒してでも奪わなければならなかったシーン、奇しくもゴールを決めたバルベルでは前々年のスーペル・コパでは似たシーンで削りカウンターを防ぎ二枚目のイエローで退場した。0-0のまま延長も乗り切り、PK戦では4-1で優勝。
バルセロナが試合は押し気味に進めていたが、持たされていたという試合でもある。まだまだ途上のチームづくり、監督が次々に代わりメッシが抜けクラブの財政も逼迫、そういう意味では無理くりなスカッドではあるが、いいイメージを持つ2期目の会長と、クラブレジェンドのチャビ監督招聘、ぺドリ筆頭にアンス、ガビ、ニコ、アブデ、アラウホ、エリックと超若手がこのまま主流になれば、バルサ最盛期も作れる、そう思いたいし、その片鱗がのぞいた試合だった。